院長挨拶

院長 吉田憲正
院長 吉田憲正

明治44年(1911年)2月、明治天皇が「恵まれない人々のために施薬救療し、済生の道を弘めるように」との済生勅語に添えてお手元金を下賜され、これを基金に官民から寄付金を募って恩賜財団 済生会が創立されました。その京都府支部の病院として、昭和4年(1929年)7月、「済生会京都府病院」は京都市北区に開設されました。昭和58年(1983年)には長岡京市に移転し、以来39年間、京都府乙訓地域(長岡京市、向日市、大山崎町)の唯一の公的医療機関として急性期医療を提供してきました。そして、令和4年(2022年)6月に、建物の狭隘化、交通不便などの課題を解消するために同市内、阪急西山天王山駅から徒歩5分という場所に新築移転、「京都済生会病院」として新たなスタートを切りました。

当院の特徴は、ひとつめに「暮らしによりそう病院」です。地域の医療機関や各施設と連携を強化し、入退院や医療・福祉に関する相談を一体的に行う「患者総合サポートセンター」を設置し、患者さんが地域で暮らすための支援ができる体制を整えました。地域医療連携においては、平成20年(2008年)8月には地域医療支援病院に認定されています。

次に「質の高い医療の提供」です。新病院では手術室、内視鏡室、血管造影室、外来化学療法室や高度急性期病棟の充実、先進的な医療機器の整備などにより、急性期医療の拡充をしました。思いやりの心を大切に、多職種によるチームワーク医療で、安全・安心な医療の提供に努めます。また、医師をはじめとする専門知識と技術をもった医療従事者の確保に努め、より質の高い急性期医療と地域完結型医療を目指していきます。理学療法、作業療法、言語聴覚療法という総合的なリハビリテーションを、より早くより安全に提供し、地域リハビリテーション支援センターとして、急性期から回復期、維持期へと切れ目ないリハビリテーション体制の構築に努めています。健診センターでは、人間ドック、特定健診、特定保健指導、その他の各種健康診断を行っています。地域のみなさんの健康増進に努め、病気が見つかった時には早期に治療できるようにお手伝いします。

さらに「明るい職場づくり」も特徴のひとつです。職員間での情報発信・情報共有を大切にして、風通しのよい病院を目指しています。次世代医療従事者の育成、院内保育室の整備など学びやすく働きやすい職場づくりにも取り組んでいます。

そして、済生会精神「施薬救療」を具現化した済生会の根幹事業である無料低額診療事業を一層推し進め、生活困窮者支援事業「なでしこプラン」にも積極的に取り組んでいます。院内には障害者支援団体が運営する就労支援カフェ、小児科病棟には大学生と取り組んだホスピタルアートを整備しています。行政や企業、地域の団体と作り上げたイベント「済生会フェア」などを通して地域のまちづくりにも参画し、ソーシャルインクルージョンの取り組みを推し進め、新たな「京都済生会病院」を構築しているところです。

最善の医療の提供、救急医療・災害医療の体制確保、周産期・小児医療機能の強化、専門医療・保健サービスの向上、地域包括ケアの整備など、当院に求められるニーズにしっかり応えていくことが地域の中核病院としての務めです。「出産」から「看取り」まで、地域の医療機関と連携しながら安心・安全な医療を切れ目なく提供し、暮らしやすく活力ある地域の発展・まちづくりに取り組みますので、よろしくお願いいたします。

院長プロフィール

吉田 憲正(よしだ のりまさ)

京都済生会病院 院長。消化器・内視鏡、特に食道、胃、腸の病気が専門。
1980年京都府立医科大学卒業、第一内科入局。ルイジアナ州立大学医学部留学、武田病院消化器内科部長、京都府立医科大学講師を経て、2008年京都第一赤十字病院副院長・消化器センター長、2019年10月より現職。京都府立医科大学臨床教授、日本消化器病学会財団評議員など兼務。

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