放射線科・IVRセンター
外来診療担当表最近の画像診断装置の進歩には目を見張るものがあり、当院にも新しいX線撮影装置、マルチスライスCT、1.5テスラMRIなどが導入されています。これらの装置の性能を最大限に生かすために常に高度な検査技術と知識をもって質の高い画像診断を提供できるように努力しています。また医師、診断医、放射線技師が常に連携することで効果的な検査を行い無駄な検査は行いません。CT、MRI一般撮影等の画像診断を行い、迅速な診断・治療に携わっています。
一般撮影
一般撮影とは、胸部、腹部、骨などの体内の写真を撮影する検査のことです。X線が人体を通過する際に体内組織によって、減弱される差が濃淡となって画像として写し出されます。当院では、高精度のFPD(フラットパネルディテクタ)と呼ばれる装置を導入しています。画像をコンピュータ上で管理・処理し、少ない被曝でより観察しやすい画像を提供することが可能です。
CT(キヤノンメディカルシステムズ社製 320列 Aqilion ONE, 80列 Aquilion PRIME)
320列エリアディテクタCT装置
・高速で広範囲な1回転撮影が可能(心臓撮影時0.35秒で16cmの広範囲を1回転撮影)
・心臓や血管も拍動(心臓が動く事)の影響を受けずに高精度のスキャンが可能。
・3D撮影・4D撮影が可能
80列マルチスライスCT装置
・装置本体の正面にモニタ配置、患者さん本人の確認が可能
MRI(キヤノンメディカルシステムズ社製 1.5テスラMRI Vantage Fortian)
MRIは、磁場と電磁波を用いて人体内部を画像化する装置です。放射線を使わないため被ばくがなく人体への負担が小さいという特長があります。
一方で、一般的なMRIは、高画質な画像を得ようとすると検査時間が延長するという問題がありました。今回導入したMRI装置は、この問題をクリアするために「人工知能(AI)を用いた高画質化技術」を搭載しています。これによって検査時間を延長せずに画質の劣化を抑えることができ、患者さんへの負担を増やすことなく診断に有用な高画質な画像を得ることができます。
また、当院のMRIは、一般的なトンネル型MRIと比べると開口径は10㎝ほど大きい71㎝大開口径MRIで、明るく開放的な検査空間で検査を受けていただくことができます。MRIの音も比較的小さく、狭いところが苦手な方やお子様の不安を軽減できるよう設定されています。
最新MRI装置は、「診断の質」および「快適性」の向上を実現いたします。
RI検査(キヤノンメディカルシステムズ社製 デジタルガンマカメラ装置 GCA-9300R )
微量な放射線を出す検査薬(RI)を体内に投与し、RIから放出される放射線を検出することで臓器の機能や動態を診断する検査です。
CT検査やMRI検査は、主に臓器の形態の異常を調べるのに対し、核医学検査は、投与された放射性医薬品の分布や集積量、経時的変化の情報から、臓器や組織の形態だけでなく、機能や代謝状態などを評価することができます。機能や代謝状態の異常は、形態の変化で判断しにくい疾患の発見につながる可能性があります。
当院では3検出器型装置を導入しました。一般的な2検出器型装置と比較して放射線の収集効率が1.5倍になりますので、より精度の高い画像を提供することができます。
血管撮影装置(キヤノンメディカルシステムズ社製 Alphenix)
血管撮影は、足の付け根もしくは手首、肘から細い管(カテーテル)を血管に挿入し、造影剤を使って心臓、肝臓、脳、下肢などの血管撮影、治療を行います。また、狭心症や心筋梗塞などのカテーテル検査、治療だけでなく不整脈の検査および治療、ペースメーカーの植え込みなども行います。当院では、先進のテクノロジーを搭載した最新型の血管撮影装置を導入しました。画像の表現力が大幅に向上し、血管の検査・治療に用いるデバイスを鮮明に観察でき、豊富なアプリケーションを用いてより迅速で正確な検査・治療が可能です。また従来の装置に比べて放射線被ばくの大幅な低減と被ばく管理が可能となり、患者さんが安全に検査・治療を受けられる環境を整備しています。
シングルプレーン装置 Alphenix Sky
・主に心臓および下肢の検査・治療に使用・心臓・下肢の治療に用いられるデバイス(ステント)を鮮明に観察可能
・放射線皮膚被ばくをリアルタイムにモニタリングし、被ばく管理が可能
バイプレーン装置 Alphenix Biplane
・主に脳血管や不整脈の検査・治療に使用・1回の造影で2方向から撮影できるため造影剤量の低減、手技時間の短縮が可能
・3D撮影により、複雑な血管走行や脳動脈瘤の形状を3次元的に観察、把握が可能
AngioCT装置 Alphenix Sky₊/Aquilion PrimeSP
・主に腹部の検査・治療に使用・血管撮影装置とCT装置を同室設置でき、1つの寝台で血管撮影・CT検査が可能。患者様の寝台移動の手間がなく、安全で効率的な検査ができる
・CTで撮影した3D画像からがん(腫瘍)の栄養血管を抽出し、治療時のナビとして使用可能
カテーテル治療例
経皮的血管形成術(PTA)
経皮的中隔心筋焼却術(PTMSA)
ペースメーカー植え込み術
経皮的心筋焼却術(PTMSA)
脳動脈瘤コイル塞栓術
脳血管塞栓術
脳血管血栓回収術
頸動脈ステント留置術(CAS)
シャントPTA
肝動脈化学塞栓療法
CVポート造設
バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術
経動脈的塞栓術(TAE)
経皮的ドレナージ術
X線TV検査(TOSHIBA社製 ZEXIRA DREX-ZX80/WINSCOPE5000 KXO-80XM)
X線TV検査は、X線を照射し透視画像を確認しながら、処置や目的部位の撮影を行います。造影剤を利用して胃透視や注腸検査の診断、骨折部位の整復、体内にチューブを留置するなど、幅広く利用されています。検査によって内容が大きく異なるため、検査時間はさまざまです。当院のX線TV装置は2台あり、多目的検査に柔軟に対応しています。
骨塩定量検査(HOLOGIC社製 HorizonCi)
骨塩定量検査とはX線や超音波を用いて、骨を構成するカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分の量(骨の量)を測定する検査です。骨粗鬆症の診断や薬剤による治療効果、骨密度の変化の診断、判定などに利用されます。当院ではX線を用いたDEXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)を採用しており、被ばくが少なく、高精度かつ安全な測定法です。骨密度を求め正常値と比較することにより判断していきます。検査部位は腰椎と大腿骨頚部に二ヶ所の骨密度を測定し、痛みも無く検査時間はおよそ10分程度です。
マンモグラフィー撮影装置(TOSHIBA社製 Peruru)
マンモグラフィー撮影は、小さなしこりや視触診でわからないような微小石灰化を伴う早期の乳癌発見に優れています。マンモグラフィーでは、装置とアクリル板の間に乳房を挟んで撮影するため、患者さんによっては痛みを伴うことがあります。しかし圧迫して乳房を薄く広く伸ばすことにより、動きによるボケを少なくし、被曝線量を低減、乳腺の中に隠れた病変が見つかりやすくなるなどのメリットがあります。診断価値の高い写真を得る為に患者さんのご協力をお願いします。当院のマンモグラフィー装置は、国産ならではのメリットをいかし、日本女性の体型や乳房の形などの特性に合わせた設計で、乳房を圧迫する圧迫板の材質も一般的なものより軟らかいものを採用しています。その他にも痛みを軽減する工夫が施されている装置での撮影により、患者さんの負担が少しでも軽減するように撮影しています。また、FPD搭載装置での撮影によりこれまで以上に高精細で、低ノイズ画像を撮影できるようになりました。当院では、マンモグラフィー専用室で落ち着いた雰囲気のなか、検査していただけます。撮影は、マンモグラフィー認定技師の資格を持つ女性技師が行い、始めての方でも安心して検査を受けていただけるよう努力しています。
画像を用いて行うインターベンショナルラジオロジー(IVR:アイブイアール)治療技術を用いた治療の計画、施行、治療後の経過観察を行います。
閉塞性動脈硬化症へのステント留置、肝臓がんへの塞栓術(TACE:テイス)、動静脈へのリザーバー留置、外科救急との連携下での動脈出血に対する塞栓術、未破裂あるいは破裂後の内臓動脈瘤のコイル塞栓、門脈圧亢進症による高アンモニア血症例へのBRTO術、難治性膿瘍へのCTガイド下ドレナージ術、肺がん症例などでのCTガイド下経皮的肺生検術などの治療計画、施行、その後の経過観察を行います。
診療放射線技師
スタッフ数
専門資格・認定等
- 第一種放射線取扱主任者 3名
- X線CT認定技師 3名
- 磁気共鳴専門技術者 2名
- 核医学専門技師 1名
- 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師 2名
- 健診マンモグラフィー撮影認定技師 4名
- 放射線治療専門放射線技師 1名
- 災害支援認定診療放射線技師 1名
- 画像手術支援認定診療放射線技師 1名
- 放射線管理士 3名
- 放射線機器管理士 2名
- 医用画像情報精度管理士 2名
(2024年9月現在)
放射線科所属看護師
スタッフ数
専門資格・認定等
- インターベンションエキスパートナース 4名
(2024年9月現在)
京済ピックアップ
病気を発見! 医用画像のエキスパート!放射線科と聞くとレントゲンをイメージされると思いますが、当院ではレントゲンだけではなく、CTやMRIなどの様々な検査を実施し、診断に有用な医用画像を提供しています...
詳しくはこちらスタッフ紹介
部長德弘 光邦とくひろ みつくに
- 出身大学
高知医科大学(1996年卒)
- 担当・専門分野
画像診断
- 資格・当院兼職
日本医学放射線学会認定放射線診断専門医
IVRセンター長秋本 和美あきもと かずみ
- 出身大学
京都府立医科大学(1983年卒)
- 担当・専門分野
IVR(インターベンショナルラジオロジー)
- 資格・当院兼職
日本インターベンショナルラジオロジー学会認定IVR専門医
日本インターベンショナルラジオロジー学会認定IVR学会指導医
日本医学放射線学会認定放射線専門医
日本医学放射線学会認定放射線診断専門医
京都府立医科大学臨床教授
腹部大動脈ステントグラフト実施医
日本低温医学会認定凍結手術認定医