産婦人科
丁寧な説明と体に対する負担の少ない医療を心がけています
子宮がん検診外来《要予約》
子宮頚がんは自覚症状がないことが多く、早期発見が可能な疾患です。
市民検診では20歳以上の症状のない女性に2年に1回、定期的な検診を受けることが推奨されています。子宮頚がん検診(子宮頚部細胞診、内診、超音波、5分程度)のみで医師との面談は行いません。相談や症状がある方は、通常の外来受診をお勧めします。子宮体部や卵巣の病気は大きなものでなければわからないことがあります。
外来日時
- (2024年4月~外来日追加)毎週火曜日11:00~12:00・13:30~14:30
- 毎週金曜日13:30~15:00
市民検診をご希望の方はできるだけ上記外来日・時間帯に受診していただくようお願いします。
予約
下記日時で電話予約をお願いします
月~金曜日14:00~17:00
075-955-0111(代)
受診時の注意点
月経中は避けてください(月経の終わりかけ、少量の出血なら大丈夫です。出血が多い場合は細胞がうまく取れない、血液の影響で検査が難しいことがあります)パンツスタイルやタイトスカートよりも、ゆとりのあるスカートの方が診察の準備がしやすくなります。
HPV検査について
子宮頚がんの95%以上はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染が原因とされています。HPVはごくありふれたウイルスですが、一部の型(16,18型など)は子宮頚がんへ進行する頻度が高く、スピードも速いと言われています。このリスクの高いウイルスを持っているか、子宮頚部細胞診とともにおりものの検査で調べることができます。
費用
- 《市民検診》 料金は自治体によります(HPV検査も行う場合4400円追加)
- 《子宮頚部細胞診+内診、経腟超音波(自費)》 5500円
- 《子宮頚部細胞診+内診、経腟超音波+HPV検査(自費)》 8800円
女性ヘルスケア外来(月曜・水曜午後 [要予約] 担当医師:加藤、清水)
思春期から更年期、老年期まで、女性の心身はホルモンの変化で影響を受け、さまざまな症状が現れます。またストレスや疲れから、それぞれの年代で女性特有の不調が出てきます。そんな悩みを持つ人のための外来です。たとえば・・・
月経に関する症状
無月経、過少月経 | 15歳以上で初経が来ない、月経が3か月以上来ない、出血が少なすぎる |
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月経痛 | 月経前~月経中に薬を飲んでも痛みがおさまらない、学校や仕事を休む |
過多/過長月経 | 月経量が多くて外出できない/寝込むことがある、出血が10日以上続く |
月経前症候群 | 月経前の不調(だるい、気分の落ち込み、いらいら、過食、皮膚が荒れる) |
更年期症候群に関する症状
主な症状 | 顔が熱い/のぼせる、上半身のほてり、汗がひどい、手足が冷える、息切れ/どうき、不眠、不安、気分の落ち込み、いらいら、疲れやすい、やる気が出ない、食欲がない |
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排尿関連症状 | 頻尿、行きたいと思ったら間に合わずに尿が漏れる、くしゃみ、咳、笑った時に尿が漏れる、尿に勢いがない・出にくい |
外陰症状 | かゆみ、痛み、おりもの、性交痛 |
骨盤臓器脱 | 腟から子宮などが下りる疾患。排尿関連症状や外陰症状、違和感がある |
そのほか | 骨粗しょう症、肥満など健康に関する心配がある |
そのほか、婦人科かどうかわからないけれども体調不良や気持ちがつらく感じる方
婦人科でない科でもみてもらったほうが良いと思われる方には、ご紹介をします。
- 予約
下記日時で電話予約をお願いします
月~金曜日14:00~17:00
075-955-0111(代)
NIPT(無侵襲的出生前検査)外来
2022年12月より開始
NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing:無侵襲的出生前検査)とは、お母さんからの採血でおなかの中の赤ちゃんに染色体疾患の可能性があるか調べるものです。対象 となる染色体疾患は21トリソミー(ダウン症)、13トリソミー、18トリソミーのみです。
外来日
第2・4水曜日 15:00 ~ 16:00(応相談)
対象となる方
妊娠10週0日から15週6日までの妊婦さんで、対象となる赤ちゃんの染色体疾患(21トリソミー(ダウン症)、13トリソミー、18トリソミー)についての検査希望があり、以下のいずれかの条件を満たす場合
- 対象となる染色体疾患に罹患した赤ちゃんを妊娠、出産したことがある
- 対象となる染色体疾患に赤ちゃんが罹患している可能性が高いことを指摘されている
- 上記にはあたらないが、不安の強い方
診察の流れ
- 妊婦さん、パートナーの方とお二人でカウンセリングに来院していただきます。
- カウンセリングを受け、検査を希望された方には採血を受けていただきます。
- 約2週間で検査結果が出るため、結果を聞きに来ていただきます。なお、この検査は確定検査でないため、結果が陽性の場合は三菱京都病院の遺伝相談外来を受診していただくことになっています。
その後、確定検査である羊水検査が勧められます。
料金(税込)
- カウンセリングのみ(30分) 初診 5,000 円
- カウンセリングのみ(30分) 再診 3,000 円
- NIPT(採血) 143,000円
予約方法
受診、採血は妊娠10週0日以降に行っていますが、予約は妊娠9週から可能です。
当院で 健診中の方 | 担当医に相談いただくか予約センターにお電話してください。 のちほど担当より折り返し連絡いたします。 |
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他院で 健診中の方 | 主治医の先生にご相談の上、NIPT外来依頼書、紹介状を当院の産婦人科宛てにFAXをしていただいてください。のちほど担当より患者さんに連絡いたします。 |
NIPT外来依頼書
周産期診療(産科)
妊娠のいずれの時期にも分娩予約が可能です。分娩数の制限はしておりません。
里帰り出産をされる方はできれば34週ごろまでに一度受診をお願いします。
お産は自然陣痛による分娩を基本としています。
ただし、必要と判断した時は医療処置(陣痛促進剤の使用、吸引分娩、帝王切開など)を説明の上、行うことがあります。なお、以前に帝王切開で分娩した方、子宮筋腫の手術を受けた方、骨盤位の方、双胎の方は予定日の約2週間前の38週前後に帝王切開を行っています。
詳しくは当院での出産をご確認ください。
当院での出産良性疾患(子宮筋腫、腺筋症、子宮内膜症、卵巣腫瘍、多嚢胞性卵巣等)
経過観察や薬物療法を行う場合もありますが、必要時は相談の上、手術を行います。手術は主に腹腔鏡手術や子宮鏡手術などの内視鏡手術、また腟式手術で行っています。しかし手術が難しいと判断した場合には開腹術をお勧めする場合もあります。体の負担を少なくするために、可能な場合は小切開法(小さなきずでの手術)で行っています。
主に行っている低侵襲(体への負担が少ない)手術
- 腹腔鏡下子宮全摘術
- 腹腔鏡下子宮筋腫核出術
- 子宮鏡下子宮筋腫核出術
- 子宮鏡下内膜ポリープ切除術
- 腹腔鏡下卵巣腫瘍摘出(核出)術
- 腹腔鏡下子宮内膜症手術
- 腹腔鏡下卵巣多孔術 (多嚢胞性卵巣に対して)
- 腹腔鏡下異所性妊娠(子宮外妊娠)手術
骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤)、尿失禁
骨盤臓器脱とは、女性の骨盤内にある膀胱、子宮、直腸が本来の位置から下垂して腟から脱出してくる状態のことです。
原因
出産の時に産道となった骨盤底(骨盤の一番低い部分)が傷つき疲労する。この傷は安静にすることでいったん治ります。しかし50歳代くらいから、骨盤底を支えていた靭帯や筋肉の力が低下して骨盤内臓器が腟の方に下りてしまいます。分娩回数が多い、肥満、慢性の咳で骨盤臓器脱は起こりやすいと言われています。
症状
- 膣に何かがはさまった違和感、圧迫される感じ
- 尿が出にくい、尿の回数が多い、尿漏れ、残尿感
- 便が出にくい(便が残った感じ、便意があるのに出ない)
- 下腹部が下に引っ張られる感じ、下腹痛
- 腟壁や子宮がいつも脱出している場合、下着にすれて出血する など
治療
- 軽度で症状がない場合、経過観察や骨盤底筋体操
- リング式ペッサリーを腟内に入れて下垂した臓器を押し上げる
- 手術:根治療法です。少ないですが再発する可能性はあります
腟式子宮全摘 | 下がっている子宮を摘出 |
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腟壁形成 | 伸びた腟壁を縫い縮める |
腟断端固定術 | 子宮を摘出した後の腟断端を靭帯に固定する |
腟閉鎖 | 腟を縫い縮めて閉じる |
経腟的メッシュ挿入術 (TVM手術) | 伸びた腟壁の中にメッシュを埋め込んで臓器を支えます。メッシュで補強するため再発が少ない。ただメッシュは異物なので術後にびらんとして出てくる場合があり、切り取るなどの処置をすることがあります |
腹腔鏡下仙骨腟固定術 (LSC手術) | 腹腔鏡でメッシュを入れる。経腟的メッシュ挿入術に比べると時間がかかりますが、術後痛みも少なく、性交渉にも支障がありません |
悪性疾患(婦人科がん)
子宮頚癌・子宮体癌・卵巣癌他、婦人科癌に対してガイドラインに基づく標準治療を行っています。基本的にご本 人・ご家族に病名を告知し、十分な説明、相談をしながら治療を進めています。手術(必要に応じて手術中に迅速病理検査を行います)、化学療法、放射線療法、他科と連携した集学的治療、緩和ケア外来(麻酔科医師、専任看護師による)などの医療を行っています。また、他院でのセカンドオピニオンや、転院を希望される場合は紹介させていただきます。
不妊治療
タイミング療法、排卵誘発、人工受精を行っています。体外受精は行っていませんので、専門施設にご紹介しています。
その他の婦人科疾患
まず症状を詳しく聞き、その方に合った検査、治療を提案していきます。月経不順、月経困難症、月経前症候群、更年期障害などは女性ホルモンの薬で治療できますが、漢方薬や他の薬を使うこともできます。中にはお話を聞いたり日常生活のアドバイスをしたりするだけで経過をみていく場合もあります。また、更年期症状で来られている方などに骨粗しょう症、高脂血症の検査、投薬も行うこともあります。頻尿や外陰部の症状(おりもの、かゆみ、いたみ)などでお悩みの方もご相談ください。