スペシャリストナース!

2025年06月17日(火曜日)

特定の看護分野で高度な知識や技術を身につけたスペシャリストナース。
日本看護協会が認定した当院の専門看護師・認定看護師を紹介します。

がん看護専門看護師

がん看護専門看護師とは、がんと診断された時から、治療中、そして治療後も、その人らしく安心して生活できるように専門的な知識と技術で支援する役割を持った看護師の資格です。
そして日頃、がん患者さんとご家族の看護に携わる中で、私が大切にしていることをみなさまにお伝えします。
私は、がんと診断された患者さんの、その人らしい生き方を支えることを大切にしています。具体的には、患者さんの思いや希望を丁寧に伺い、その意向に沿った医療やケアを提供できるよう、医師をはじめとする多職種と連携を図ります。治療方針の決定においては、患者さんやご家族が十分に理解し、納得できるよう情報提供を行い、共に考えることを大切にしています。

もう一つ、私が大切にしているのは、患者さんとご家族を「孤独にさせない」ということです。がんと診断された時、多くの方が大きな不安や孤立感を抱えます。私は、そんな患者さん一人ひとりの気持ちに寄り添い、心の支えとなることを大切にしています。治療の過程で感じる孤独や不安を共有し、共に乗り越えていけるようにサポートを心がけています。このように、がんは身体的な苦痛だけでなく、精神的な苦痛も大きな病気です。患者さんとご家族が安心して療養生活を送れるように、ACP(将来の医療やケアについて、前もって考え、医療者と話し合う過程)を通して、将来の医療やケアについて一緒に考え、患者さん自身の意思決定を支援することが、がん看護専門看護師の重要な役割です。
がんは決して他人事ではありません。ご自身やご家族ががんと診断された際には、一人で悩まずに、お声がけください。
みなさまが安心して、あなたらしい生活を送れるよう、がん看護専門看護師として精一杯サポートします。どんな小さなことでも構いません。いつでもお気軽にご相談ください。

山本 正彦(やまもと まさひこ)

がん看護専門看護師
2003年藍野学院短期大学看護学科卒業、同年4月京都済生会病院に入職し、外科病棟に配属。整形外科・泌尿器科、循環器内科、消化器内科などの病棟を経験。2018年京都府立医科大学大学院保健看護学研究科 博士前期課程に入学し休職。2020年に同学卒業し復職。2021年 がん看護専門看護師の資格取得。

摂食・嚥下障害看護認定看護師

摂食・嚥下障害看護認定看護師は、何らかの疾患や加齢に伴う身体・精神機能の低下などによって、摂食・嚥下機能(食べること・飲み込むこと)に障害をきたした患者さんに対し、安全で楽しい"食"を支援することが役割です。"食べる"ということは、ただ単に栄養を取り込むということだけでなく、美味しく食べることを通して楽しみや喜び・生きる活力へと繋がります。一人でも多くの摂食嚥下障害患者さんに"食べる"ことを諦めない看護を提供していきたいと思っています。

摂食嚥下障害があると心配されるのが「 誤嚥性肺炎」です。
厚生労働省の「令和5年(2023) 人口動態統計(確定数)の概況」によると、日本人の死因は、がん、心疾患、老衰の順で多く、誤嚥性肺炎は3.8%で第6位でした。誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液などが気管に入ってしまうこと(誤嚥)が原因で起こる肺炎で、特に高齢者には注意が必要です。誤嚥は嚥下機能と関わりが強く、食べることに影響が出てきます。
摂食嚥下障害とは、加齢や薬の副作用、病気の影響などによって、食べることや飲み込むことが困難になることです。食べ物が誤って気管へ入ることで窒息や誤嚥性肺炎などを引き起こすことがあります。

機能低下があってもなくても、『美味しく食べ続けるために』"飲み込む力"を鍛えましょう!

土本 久美子 (どもと くみこ)

摂食・嚥下障害看護認定看護師
新卒より京都済生会病院に4年勤務したのち、京都市立病院に24年勤務。2014年5月京都済生会病院にリターン。
2018年6月摂食・嚥下障害看護認定看護師の資格を取得する。

皮膚・排泄ケア認定看護師

皮膚・排泄ケア認定看護師の担当領域は、Wound:(創傷)・Ostomy:(人工肛門・人口膀胱)・Continence:(失禁)の3領域に分かれているので、それぞれの3領域の頭文字をとってWOC(ウォック)と呼ばれることがあります。
主な看護内容は次のとおりです。

W:Wound(創傷)

創傷ケアは、健常な皮膚を維持するためのスキンケアを通し、皮膚のトラブルや傷ができないようにすることです。また、創傷がある方に対しても、スキンケアを行い創傷が治りやすい環境を整え、創傷の治癒促進を図ります。

O:Ostomiy(人工肛門・人工膀胱)

ストーマ(人工肛門、人工膀胱)ケアはストーマをもつ方、これから手術を受けられる方に対して、ストーマとストーマ周囲皮膚などの管理、ストーマ装具の選択、日常生活へのアドバイス、精神的なサポートなどを行います。

C:Continense(失禁)

疾患や手術後、加齢に伴う尿や便に関するトラブルに悩む患者さんのサポートも行っています。尿や便の失禁が生じている方に適切な用品を選択し、皮膚のかぶれ予防や状態改善のためのケアを行います。また、セルフケアの方法や骨盤底筋体操、肥満・便秘の改善など日常生活の注意点についても説明します。

そのほか、認定看護師としての活動として、週に1回褥瘡ラウンド(褥瘡を有する患者さんを対象)、排尿ケアラウンド(排泄に関するトラブルに悩む患者さんを対象)を行っています。どちらのラウンドも医師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、看護師など多職種が参加し、情報を交換しながら患者さんの症状が少しでも良くなるよう治療方針について意見を出し合い、病棟看護師にケアについてアドバイスをします。
そして、ストーマを造設された外来患者さんを対象にスキンケア外来を週に1回行っています。入院中の患者さんだけでなく、外来通院中の患者さんのケアなど横断的に活動しています。何か皮膚トラブルや排泄のことなどで困ったことがありましたら相談してください。

福永 恵 (ふくなが めぐみ)

皮膚・排泄ケア特定認定看護師
2008年京都済生会病院入職後、循環器内科、整形外科、地域包括ケア、HCU 病棟を経験。
2023年に皮膚・排泄ケア特定認定看護師を取得。

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