ことばのあや(1)

2021年02月01日(月曜日)

 NHK朝の連続テレビ小説「おちょやん」ではいろんな大阪弁が聞こえてきました。大阪弁といっても河内方言、和泉方言、摂津方言があり、江戸時代から近代にかけて商人は船場、芸人は島之内、役人は天満など地域や職業によってたくさんの言葉がありました。
 船場は天下の台所と呼ばれた商業地帯で、お客さんに丁寧な言葉使いが求められ「おはようおかえり」「よろしゅおあがり」など品の良い言い回しが多く、京都よりも御所言葉の影響を受けているとも言われます。島之内言葉は道頓堀界隈で使われた言葉で、芸者さんや芸人さんが使い、艶と粘りがあります。
 「おちょやん」のヒロインモデル、浪花千栄子さんは幼少期に河内弁、女中時代に船場言葉や島之内言葉、その後京都で京都弁に触れ、関西の言葉の細かな違いを身につけたことが女優としての武器になりました。
 大阪弁は下品でキツいという印象がありますやろけど、ほんまはゆったりとやらかい言葉やと世に知らしめたんが浪花千栄子さんやっちゅう話だした。
 ほな、おあとがよろしいようで。(M)

Gion_bayashi.jpg

Daiei, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で Chieko Naniwa and Michiyo Kogure in Gion bayashi (1953) directed by Kenji Mizoguchi
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