災害と医療支援

2024年03月28日(木曜日)

知っているようで知らない?
災害拠点病院の役割や大きな災害が起きたときに出動するDMATをはじめとするチームの活動についてご紹介します。


地域災害拠点病院とは

大規模災害発生時に医療救護において中心的な役割を担う病院のことです。1995 年の阪神淡路大震災の経験をもとに各都道府県の二次医療圏ごとに1 カ所以上整備されています。京都府では、人口や地域性を考慮し、京都・乙訓医療圏と山城北医療圏では複数の病院が指定され、当院も地域災害拠点病院に指定されています。

災害拠点病院の役割

  • 救命医療を行うための高度診療機能
  • 被災地からの重症傷病者の受入機能
  • 傷病者の広域後方搬送への対応機能
  • DMATや医療救護班の派遣機能
  • 地域医療機関への応急用医療資機材の貸出機能

災害時に出動するDMAT、DCAT/DWAT、DPAT

テレビドラマなどでも描かれる「DMAT」。DMAT以外のチームも活動しているのを知っていますか? 災害時に出動するさまざまなチームを解説します。

DMAT(ディーマット)

DMAT(Disaster Medical Assistance Team)は、大規模災害や大事故などの現場に迅速に駆けつけ救急医療や病院支援を行う、専門的な訓練を受けた災害派遣医療チームのこと。医師1人、看護師2人、業務調整員(医師、看護師以外の医療職、事務職員)1~2人の計4~5人で1チーム。国からの要請を受け出動する。当院では19名のDMAT隊員が有事に備えている。

DCAT/DWAT(ディーキャット/ディーワット)

DCAT(Disaster Care Assistance Team)/ DWAT(Disaster Welfare Assistance Team)※ は福祉に特化した災害派遣福祉チームのこと。高齢者の日常ケアや慢性期医療が不足する事態となった東日本大震災をきっかけに、済生会が先行してDCATを設置した。福祉専門職を中心に構成され、避難所や福祉施設などで高齢者や障がい児・者、乳幼児や妊産婦、外国人など要配慮者の支援を行う。

※災害派遣福祉チームの略称は都道府県によってDCAT、DWATが混在する

DPAT(ディーパット)

DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team)は、被災地などの精神科病院の患者対応や被災者の心的外傷後ストレス障害をはじめとする精神疾患発症の予防などを支援する災害派遣精神医療チームのこと。一般住民の「こころのケア」に対する支援も担う。精神科医師、看護師、業務調整員で構成されるが、被災地のニーズに合わせて、児童精神科医、薬剤師、保健師、精神保健福祉士や公認心理師なども派遣される。


私たちの災害支援

最前線の被災地などで活動するDMATは、普段は病院で働く職員です。彼らが被災地に赴き活動するために、他の職員は病院に残って物品の手配、勤務交代や調整、診療やケア、業務のピンチヒッターなど彼らの活動を後ろから支援します。DMAT隊員の家族もDMAT隊員を支えています。私たちは関係者みんなで災害支援、災害対策をしています。

能登半島地震での当院DMAT活動

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