[News] 小学校で性教育の出前授業を実施 ~包括的性教育を多くの人に

2026年07月02日(木曜日)

「性教育」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持たれるでしょうか?
自分がどんな性教育を受けてきたか、思い出すことはできますか?

私が子どもの頃に受けた性教育で覚えているのは二つです。
一つめは小学校高学年時に女子だけが集められて聞いた「月経」の話で、二つめは中学3年生の時に男女混合で、予期せぬ妊娠をしてしまった中学生が中期中絶をする話を聞いたことです。この二つ以外、性教育を受けた記憶はありません。
自身が親になり、子どもが思春期を迎えようとする頃、私は性に関する情報を自分の子どもに正しく伝えることができるだろうか? と思い、性教育を学び始めました。そこで出会ったのが「包括的性教育」です。

包括的性教育とは

「包括的性教育」とは、UNESCO(国際連合教育科学文化機関)が中心となり、2009年に発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に沿った、世界標準の性教育のことです。
「包括的性教育」は、これまでの性や生殖の知識だけでなく、「自分と相手を大切にする方法」を学ぶ人権教育であると言われています。子ども達が生涯にわたって健康で幸せな人生を自分で築いていく「生きる力」を育むために、8つのキーコンセプトを軸に多様性やセクシュアリティを学びます。

8つのキーコンセプトは、

  • 人間関係
  • 価値観、人権、文化、セクシュアリティ
  • ジェンダーの理解
  • 暴力と安全確保
  • 健康とウェルビーイング(幸福)のためのスキル
  • 人間のからだと発達
  • セクシュアリティと性的行動
  • 性と生殖に関する健康

です。

これらを学んでいくなかで、性は「行為」の話ではなく、「生き方」の話であり、"性教育=生教育"だと気付かされました。
包括的性教育は、生き方を支え、自分を大切にできる力を育む教育であり、健康で幸せに生きられるように、自分も相手も大切にできる関係を育てることを目的としている。そして、トラブルに巻き込まれた時に助けを求められる。誰かの"指示"じゃなく、自分で決める力を育てる。このような性教育に子どもの頃から接し、自分も相手も大切にできる子どもたちに育って欲しい、という思いを持って地域の子どもたちへ「包括的性教育の出前授業」を行いたいと考えました。

包括的性教育の出前授業

5月28日(木)、29日(金)に、長法寺小学校からの依頼で1年生と2年生を対象に包括的性教育の出前授業を行いました。

1年生には「からだの清潔」と「プライベートゾーン」。2年生には「プライベートゾーン」と「おへそのひみつ」についてお話をしました。

自分のからだを清潔に保つことは、自分の体を大切にすることに繋がること、自分の体が大切なように、友だちの体も大切なことを分かりやすく話しました。子どもたちからは積極的な発言や質問があり、元気いっぱい授業が進みました。性器の洗い方は科学的に説明することで、子どもたちも照れることなく「そうなんだ」と素直に受け入れてくれました。

プライベートゾーンでは、「くち」「むね」「おしり」「せいき」がプライベートパーツであり、自分だけが触って良い場所であることをお話ししました。プライベートゾーン以外でも、体の全てが大切な場所であり、人の体に触れるときは同意を得ることが必要なこと、嫌だと思ったら断っても良いこと、断られてもその行為が嫌なだけでその人を嫌いではないということを知ってもらうことなどを、ゲームを交えながら学びました。

2年生の「おへそのひみつ」は、赤ちゃんはどこから生まれてきたのか、おなかの中でどうやって大きくなり、過ごしてきたのかを、ゲームを交えながらお話ししました。胎盤と赤ちゃん人形のモデルを使い、視覚的に分かりやすく、おへそを通してお母さんとつながり、とても大きく成長したことを感じてもらいました。子どもたちは、自分が知っていることをたくさん披露してくれて、こちらが驚くことも多くありました。最後は、ここまで大きくなった自分たちを「すごいね!がんばったね!」という気持ちを込め、『自分褒め』の拍手をし、自分の存在を認めて終了しました

 今回の授業では、子どもたちからたくさんのパワーをもらいました。後日いただいた感想文では「口がプライベートゾーンだってはじめてしってびっくりした」「おへそのひみつがわかってうれしかった」など、大切なことが伝わっていたことがわかり、やりがいを感じることができました。2学期には、5年生と6年生向けの授業を行う予定です。

助産師という専門職を活かして、これから一人でも多くの人たちに「自分も、相手も大切にできる関係を作る」包括的性教育を伝えていきたいと思います。

(4B病棟 助産師)

出前授業のご依頼について

当院では助産師による「包括的性教育」や「命のお話」の出前授業を実施しています。お問い合わせ、ご依頼は、京都済生会病院の「企画広報室」までご連絡ください。
TEL 075-955-0111(代)

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